オンライン名刺交換はどうなる?近未来の名刺交換
5月4日、新型コロナウイルス感染症専門家会議が、「新しい生活様式」を提言しました。
その提言のひとつに、「名刺交換はオンライン」とあります。
感染症の拡大を防止するために、有効な措置だと思います。
しかし実際には、どうやってオンラインで名刺を交換するのでしょうか?
オンライン名刺交換が定着して、紙の名刺がなくなる日が来るのでしょうか?
この記事では、世界の名刺文化の違いと、現状におけるオンライン名刺交換の仕組みについてご紹介します。
世界の名刺文化の違い
ビジネスにおける名刺の扱い方は、国によって異なります。
日本だと、社長から新入社員まで、初対面の相手とは真っ先に名刺交換をし、会議が終わるまで机の上に並べたり、名刺入れにしまったりと、とても大切に扱います。
中国や韓国でも、相手の名刺は大切に扱います。
欧米では、名刺は相手の連絡先を知るための、単なるツールに過ぎません。
初対面でも必ず交換する訳ではなく、お互いに必要だと思ったときだけ交換します。
相手がいる前で名刺に書き込みをしたり、ポケットにしまったり、日本ではマナー違反とされることが普通です。
そもそも名刺など持っていないビジネスマンもいます。
このような違いがある中で、世界共通のオンライン名刺交換の仕組みができるのか、日本独自のオンライン化を遂げるのか、今のところ不明です。
オンライン名刺交換の仕組み
名刺管理ソフトを利用している人は多いと思います。
相手にもらった紙の名刺をスキャンして、OCR認識したデータを補正し、データベース化して管理、活用するものです。
これは紙の名刺ありきなので、「オンライン名刺交換」とは言えません。
しかし、いくつかの企業が、オンライン名刺交換への取り組みを始めています。
Sansan(サンサン)
テレビCMでおなじみ、法人向け名刺管理サービスのSansanは、6月にオンライン名刺機能をリリースします。
Sansanユーザー同士で、名刺送付用のURLを送り合うことで、名刺情報の交換が可能になります。
相手がSansanユーザーでなくても、QRコードにより、名刺情報を受け取ることができます。
また、同社の名刺管理アプリ「Eight」では、オンライン会議で名刺交換が可能な機能「QR名刺交換」を提供しています。
ほかにも、Eightでは自分のプロフィール名刺情報のURLをメールで簡単に送信することもできます
Wantedly(ウォンテッドリー)
ビジネスSNS「Wantedly」上で、名刺情報を交換する仕組みです。
名刺刺交換したい相手を検索し、「つながりリクエスト」を送ることで、自分の名刺情報とプロフィール情報を相手に渡すことができます。
オンライン名刺交換を行う際は、Wantedlyへのユーザー登録が必要です。
zoome(ズーミー)
株式会社クリップが提供する、オンライン会議上で名刺情報を交換できる、バーチャル背景名刺の無料作成ツールです。
ZoomやSkype,Whereby,GoogleMeet等の背景として、名前、会社名、役職・SNSアカウント・フリーテキストなどを表示できます。
名刺情報などのURLにリンクしたQRコードを配置することもできます。
会議の相手方がQRコードを読み取ることで、オンライン名刺交換ができる仕組みです。
紙の名刺はなくなる?
番外編として、静かに注目を集めているのが、抗菌名刺です。
ネット上でも、抗菌剤でコーティングした名刺を販売している企業を、よく見かけるようになりました。
名刺に留まらず、あらゆる抗菌加工商品が注目されつつあるようです。
オンライン名刺交換が定着するには、次のような課題があります。
- 誰もが簡単に利用できる仕組みであること
- 異なるサービス間でのオンライン名刺交換を可能にすること
- グローバル社会において、名刺文化の違いを乗り越えること
これらの課題が解決しない限り、紙の名刺がなくなることはないでしょう。
しかし、名刺文化を大切にする日本では、コロナ禍によるソーシャルディスタンスが長引くと、オンライン名刺交換は、急速に普及する可能性があります。
名刺文化そのものが、大きく変わることになるかも知れません。