クラウドファンディング活用術 インターネットで資金調達
クラウドファンディングを利用した資金調達を成功させるには、何よりも支援者の共感を獲得することが重要です。
自分が儲けるよりも、共感できるものを応援したいと考えている支援者が多いからです。
支援者の共感を獲得することで、事業・プロジェクトの資金を調達することができます。
この記事では、クラウドファンディングの大まかな流れと、種類毎のクラウドファンディング活用術についてご紹介します。
クラウドファンディングの流れ
クラウドファンディングの流れは、概ね次のとおりです。
詳細はクラウドファンディングサイトによって異なるので、利用するサイトに確認してください。
1.事業・プロジェクトの計画作成
事業・プロジェクトの目的、内容、スケジュールなどの計画を作成します。
事業計画書や募集用のコンテンツなど、サイトへの提出物を準備します。
2.申し込み
提出物を添えて、サイトに資金調達の申し込みをします。
サイトによっては、事前に会員アカウントを作成しておく必要があります。
3.事業・プロジェクトの審査
サイト側で、提出物の審査を実施します。
必要に応じて、サイトとの打合せや、サイトからの指摘事項の修正を行います。
4.支援者の募集
審査に合格すると、サイトに募集用のコンテンツが掲載されます。
設定した募集期間において、支援者からの資金を募ります。
5.資金の受け取り
募集期間終了後、集まった資金を受け取ります。
All or Nothing方式で目標金額に達しなかったときは、資金を受け取れずに終了となります。
6.事業・プロジェクトの実行
目標達成に向けて、事業・プロジェクトを計画に沿って実行します。
7.リターンの提供とお礼
事業・プロジェクトが成功したら、支援者にリターンを提供します。
成功/失敗に関わらず、メールや手紙で支援者に感謝の気持ちを伝えましょう。
クラウドファンディング活用術【種類別】
非投資型
①寄付型
寄付型で資金を調達するには、事業・プロジェクトの社会貢献性の高さが求められます。
支援者の強い共感があってこそ、見返りのない寄付が成立するからです。
具体的には、次のような内容を事業・プロジェクトの目標とすることです。
- 社会的弱者の支援
- 環境、動植物、文化財の保護
- 災害復旧活動
- 社会貢献人材の育成
- 社会に役立つ商品や技術の研究開発
このような事業・プロジェクトに取り組むことで、社会に貢献する企業であることをアピールできます。
地域や取引先からの好感が高まり、経営にとってプラスになります。
社員の士気も高まり、自社で働くことを誇りに思ってくれます。
社会貢献性が高い事業を営んでいる方や、事業者のイメージを向上したい方におすすめします。
②購入型
購入型で資金を調達するには、支援者が購入する商品・サービスが魅力的であることが求められます。
魅力があっても高すぎると支援が得られないので、適正な価格設定も重要になります。
事業・プロジェクトに社会貢献性、希少性、趣味や文化など、支援者の興味を引く要素があれば、多少高価であっても購入してくれます。
商品・サービスを決めるとき、クラウドファンディングの支援者層は20代から40代が多いことも意識すべきです。
従来の金融機関からの借り入れのような厳格な審査はなく、容易に資金を調達できるのが購入型の最大のメリットです。
1つの金融機関の承認ではなく、多数の支援者の共感によって資金を調達します。
自社の商品・サービスをうまくアピールして、調達目標額を達成しましょう。
また、新商品・サービスの市場ニーズを調査するために、テストマーケティングとしても活用できます。
投資型
投資型で資金を調達するには、事業を成功させて、リターンに見合う収益を確保できる事業計画であることが求められます。
事業が成功するかどうかは、市場の動向、事業の新規性、独自性、採算性、社会貢献性などを考慮して判断されます。
③株式型
株式会社や、これから株式会社を設立する事業者が利用できます。
中小の株式会社は、株式市場に自社の株式を公開することができません。
そのため、支援者は事業者の未公開株式の株主になります。
株式型を利用すれば、未公開株式であっても、買い手を広く募集することができます。
そして、事業者が成長して株式上場を遂げることで、支援者は株式を売却して大きなリターンを得ることができます。
ハイリスクハイリターンですが、上場までの事業計画において、多くの支援者の共感を得ることができれば、資金調達が成功します。
通常、事業者は株主に株主総会の議決権や、配当金を受け取る権利を与えます。
資金調達にあたっては、株主が経営に与える影響を充分に考慮して、発行株式数や株主に与える権利の内容を決める必要があります。
④融資型
融資型は、従来の金融機関からの借り入れと同様に、事業や財務状況に関する厳格な審査があります。
また、従来の金融機関からの借り入れの方が比較的低金利です。
まずは、従来の金融機関からの借り入れをすべきだと思います。
金融機関の理解が得られないときや、金融機関だけでは資金が不十分なときに、融資型の活用を検討しましょう。
融資型であっても、支援者は自分が共感できる事業者を応援してくれます。
社会貢献性が高い事業であれば、資金調達の成功率が高まります。
⑤ファンド型
ファンド型は、融資型と購入型を組み合わせたようなものです。
支援者に元本や利息をリターンする必要はなく、事業収益の一部や、事業で生じた商品・サービスをリターンする仕組みです。
事業の収益が計画を下回ると、支援者は元本割れとなります。
逆に、計画を上回ると、支援者に大きな利益をもたらすことができます。
支援者も当然、ハイリスクハイリターンであることを承知しています。
何度も言いますが、支援者が共感する事業であることが、資金調達を成功させる鍵になります。
起源は「寄付型」
クラウドファンディングの起源は、寄付型であると言われています。
現在では購入型や投資型などもありますが、どれも寄付の性質が受け継がれています。
人は、自分が共感したものに寄付をします。
支援者が何に共感するのか、支援者の立場になって考えることが、クラウドファンディングでの資金調達を成立させるポイントです。
多くのクラウドファンディングサイトが、成功事例を掲載しています。
事例を学ぶことで、支援者が何に共感するのか知ることができます。
誰でも手軽に利用できる、寄付型や購入型から始めることをおすすめします。